「atelier kitch アトリエ キッチ」
1:06 // 4 コメント // yamyam // Category: //大阪は茨木市。
梅田から特急で20分のベッドタウン。
繁華街を抜けて、
駅につづく大通りを歩くこと10分弱。
住宅地エリアに入っていく少し手前。
スーツを仕立てる洋装店、インド料理屋、ほか弁屋を通り過ぎた先に
「atelier kitch (アトリエ キッチ)」は見えてきます。
金具がいっぱい付けられた出入り口の看板は店主の手作り。 よく見ると、「KITCH」の文字が。 |
atelier kitch(以下、キッチ)が出来たのは3年程前。
何の変哲もない住宅街にすっと現れました。
店からはみ出たたくさんの椅子、小さなテーブル。
個性的な雑貨。
できた当初はそれこそ新鮮でしたが、
3年たった現在でもそれは変わりません。
見かけるたびに、少しずつ商品の顔ぶれが変化していることもあり、
常に新しさを感じるお店です。
店主のスミさんにお話を伺ってきました。
店をはじめたきっかけ
―まず、はじめに。お名前をおしえてください。
ザ☆スミトモアキです。(以下、スミ)
―お店を始めたきっかけは?元々雑貨が好きだったのですか?
スミ 古いもの元々すきやったんやけど、たまたま音楽してて、トロンボーンしてるんですけど。
スミさんはトロンボーン奏者。
hot hip trampoline schoolのメンバーでもあります。
※クンビア…南米コロンビアのカルタヘナ・デ・インディアス発祥のラテン音楽のひとつ。パーカッション主体の4分の2拍子が最大の特徴。現在ではラテンアメリカ諸国(スペイン語圏)で広く聞かれる。
Rojo Regalo
スミ レコーディングの話があって、そのトラック作る人がレゲエのアルバムつくるからホーンがほしいって。行ったら、たんすが山積みになった奥の工房におって…
気づいたらレコーディングどころか家具こすったりしてて。そこの工房で手伝いみたいなん始まって。
それがきっかけ。
それがきっかけ。
古道具屋の店主の顔を持ちながら、その根っこはトロンボーン奏者であるスミさん。
音楽活動と古道具屋を営むこと、この二つはどういうバランスで成り立っているのでしょうか?
音楽をやることと、お店をやること
—音楽をやることと、お店をやること、この2つはお互いに影響しあっていますか?
スミ そんなに意識して分けてはないかな。
でも音楽やってて色んなとこに行けるし、まあ外国もそうやけど、日本全国去年も行ってんけど、色んなひとの色んな店行くし、色んな人と会うし、アンテナが常に新鮮で。そこからまた帰ってきたりしたら、「前違うな」って思ってたもんがパッて、見えてきたりもするし。あ、こんなんつくろうとか、あ、これいいアイデアやなっとか。
そのスミさんのアンテナに引っかかるものとはどういうものなのでしょうか?
そのスミさんのアンテナに引っかかるものとはどういうものなのでしょうか?
セレクトの基準
〜自分で説明できないものは置かない、店に置きたければ作り手に直接会いに行く~
ー何かセレクトの基準のようなものはあるのでしょうか?
スミ 自分の薦められるもんというか。そういうもんじゃないと置いたあかんと思う。
自分の薦められるもの。
自分のアンテナに引っかかったものは、どんな人が作っているのか?
スミさんは、直接作り手に会いに行きます。
キッチには、今注目されているキャンドルアーティストのCandle JUNEさんの作品も置いていますが、
これもJUNEさんに実際に会いにいき、置かしてくださいと直接頼んだそうです。
※Candle JUNE:Candle Odysseyと称して、争いのあった地を巡る旅を続ける日本のキャンドルアーティスト。最近は、2010年に起こったハイチ大地震対する支援を目的としたチャリティー企画「LOVE FOR HAITI」の活動でも知られている。
今回の東北地方太平洋沖地震をうけて、「LOVE FOR NIPPON」(http://www.lfn.jp/)も立ち上げた。
Candle JUNEの棚 |
不思議な色合いのキャンドルたち |
やわらかい色のグラデーションが美しい |
JUNEさんのキャンドルは近くで見ると、ため息がでるほど美しいです。
火を灯すと、元々のグラデーションがきれいに発光するのだそう。
―つくってるひとたちの顔が見えるものを置きたいっていうのはありますか?
スミ もちろん、もちろん。知らん人のは置きたくない(笑)
―でも(笑)普通は例えば、雑貨屋さんは輸入して…とかもあるじゃないですか。
輸入して、仕入れて、店置いてとか。そういうんじゃなくて…
スミ うー、、ん、ないな。
(自分がまず)売れないし、(お客さんに)売れないと思う。売れるんかもしらんけど。可愛かったら。それこそ商品に力があったら。売れるんやろうけど。
実際、キッチに置かれているものは、スミさんのバンドメンバーであったり、音楽活動を通して知り合った作家のものが多くありました。
そのいくつかをご紹介。
まずは、尼崎在住のSHINOBUさんのブランド、nebraska(ネブラスカ)。
□nebraska(ネブラスカ)
革の素材と色が楽しい、nebraska |
ヌバック(牛革の表面を軽くペーパーで摩擦して起毛させベルベット状に仕上げた革)
と鹿皮をカラフルな配色で紡ぎ合わせたオリジナルクラフト。
素材は一般的な革製品と比べ、ソフトで手触りがとっても気持ちいい。
一つ一つが手縫いで1点もの。オーダーメイドもできます。
素材や色といった生地の組み合わせは布見本から選ぶことができます。
だから出来上がるものは、世界で一つのオリジナル。
で、つくってもらったのが、これ。定期入れです。
表面。サーモンピンクのしっとり滑らかな皮。 写真では見えにくいが、右にnebraskaの刻印がある。 糸は紫。 |
裏面。ヘビ柄。色がシルバーなので 派手になりすぎない。 |
つぎに、大阪在住のトム ツジモトさんのブランド、
Strange Stretch Records(ストレンジ ストレッチ レコーズ)。
□Strange Stretch Records(ストレンジ ストレッチ レコーズ)
店先に飾られた元レコードの時計 光沢のある黒と赤の組み合わせがかっこいい |
壁に飾られていた 左:灰皿 右:時計 |
額縁に入っているものも |
フライヤーのデザインもすてき |
どれだけ愛されたレコードでも、年月の経過とともにどうしても劣化は出てきてしまいます。その結果、残念ながら捨てられてしまうことも少なくないでしょう。そういった運命にあるレコードを加工し、全く別のかたちで蘇らせ、日用品として再生するのが、このブランド。
ユニークに曲げられた(Stretchされた)レコードは、ひとつひとつ表情が違っていて、その独特のラインがとても刺激的です。部屋にひとつあるだけで、雰囲気でそうです。
スミ トム(Strange Stretch Recordsの作家)とかはすげー置きたいって言いに行ったな。もともとバンドマンで知ってて友達。展示会たまたまする言うて、「改めまして、僕、雑貨屋やってるんですけど、商品置かせてくださいっ」ていうのも変なはなしやけど、ほんまに置きたいしなって思って。ほんでやっぱバンドのときに会うんじゃなくて。一回ちゃんと会いにいこうと思って。アトリエまで行ってきた。
作り手を知り、その作品の魅力を見て触って知っているからこそ、お客さんに自信をもって薦められる。だからこそ、商品について語るスミさんの弁はいつも熱いです。
店に並んだ商品の個性ももちろんですが、キッチはそのたたずまいが独特。
なぜ、心斎橋や梅田といった繁華街ではなく、茨木なのでしょうか?
店先に置かれたオブジェから見える通り。 繁華街とはほど遠い |
イス張り替えの看板 店が閉まっているときもこれだけは外に出ている |
茨木でお店をやる理由
スミ 生まれもった茨木っていうのもあるけど。
茨木イヤで出て行ってんけど、ヤンキー多いし。なんか文化もあんまり育ちにくいというか。
頑張ってるひととかいっぱいおんねんやろけど。
頑張ってるひととかいっぱいおんねんやろけど。
まあずっと市内住んだりとかしとったけど、子供一人生まれて。そのときに、家近いほうがいいし。
店やるために戻ってきたんじゃないんやん。子育てするために戻ってきたから。
ちょうどRojo Regalo で2回目のヨーロッパ行くことになって、そのときに、けっこう色んなリサイクル屋とかも見んねんけど、もっと気楽なんよ。
アンティークまでいかへんリサイクル屋がかわいい古着屋と家具と合体したお店とかがいっぱいあって。日本でリサイクル屋いうたら、厨房セットとかさ、銀色のシルバーの、そのお店やるひとがやるようなのしかなかったから。なんかもうちょっと気軽な。アンティークまでいかへん、そういうところで、いろいろ…わいわいできたらなあと思って。そんで帰ってきてお店やろうと思って。
個性的なお店ですが、若いひとたちだけでなく、近所に住んでいるひとたちも来るのでしょうか?
—近所のひと、来ます?
—近所のひと、来ます?
スミ ああ、近所多いで。椅子の張り替えとか断然近所多いもん。
なかなかしゃべる機会ないやろなっていうお母さんとよくしゃべってるけどね。
ご近所さんのお役には立ちたいとも思うわけですよ。
パンク修理のひとつもできんとね。でもね、何でも屋じゃないけどね、頼まれたら電球の一個でも替えにいこうかな思うよ、近所のひとやったらね。でもそうやってね、挨拶する人、ひとりづつ増えていくわけよ。この前で作業したりしてるから。何でもするよ、ひとりやからね。
パンク修理のひとつもできんとね。でもね、何でも屋じゃないけどね、頼まれたら電球の一個でも替えにいこうかな思うよ、近所のひとやったらね。でもそうやってね、挨拶する人、ひとりづつ増えていくわけよ。この前で作業したりしてるから。何でもするよ、ひとりやからね。
キッチは今後どのようになっていくのでしょうか?
キッチの今後
―今後、こんなお店にしていきたいとかありますか?
スミ 何やろな…(ここから深く考え込むスミさん)
コーヒーの美味しい古道具屋。
コーヒー好きやねん。専門的な道具とかもそうやけど、そういうのちょっと集めてるんで。展示会開いて、ワークショップして、ゲストに招いて、やり方教えてもらって…とかしたい。なんかそういう、ワークショップとかしたいっすね。自分がするんじゃなくて、誰かを招いて。
コーヒーの美味しい古道具屋。
コーヒー好きやねん。専門的な道具とかもそうやけど、そういうのちょっと集めてるんで。展示会開いて、ワークショップして、ゲストに招いて、やり方教えてもらって…とかしたい。なんかそういう、ワークショップとかしたいっすね。自分がするんじゃなくて、誰かを招いて。
まあまあでも、喫茶店がしたいわけじゃないんやんか。
まあみんな来てくれたら、ね?
まあみんな来てくれたら、ね?
時間あるときはゆっくり。せっかく入ってくれたお客さん、ちょっとしゃべりたいしね。
なんか、何してんのかなーと思って。おれ、前友達に言われたんは、「毎日来る、変わったお客さんの日記書いたらええねん」て。今日のお客さん」みたいな感じで。
おもしろいひと来るからねー、ほんま。
なんか、何してんのかなーと思って。おれ、前友達に言われたんは、「毎日来る、変わったお客さんの日記書いたらええねん」て。今日のお客さん」みたいな感じで。
おもしろいひと来るからねー、ほんま。
この日も、スミさんは私たちめっけ班にコーヒーを入れてくれました。
インタビューのボイスレコーダーにはレトロなミルで挽かれる豆の、ごりごりという音がずっと入っています。
最近のことですが、お店を覗いたら、ミルの棚ができていました。
美味しいコーヒーが飲める古道具屋なんて、そうそうないのでは。
最近のことですが、お店を覗いたら、ミルの棚ができていました。
美味しいコーヒーが飲める古道具屋なんて、そうそうないのでは。
追記
スミさんのバンドRojo Regaloがライブやります。
ROJO REGALO
RELEASE PARTY
2011/3/27/SUN/5:00~
@SOUND CHANNEL
TEL 06-6212-5552
中央区西心斎橋2-8-21 やすらぎビルB1
Release !!
Release !!
スプリット−7inch
発売中。
ROJO REGALO Bambi
発売中。
ROJO REGALO Bambi
EKD 竹田の子守唄
文 山下愛
撮影 今西一寿/山下愛
サポート 中野かおる
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atelier kitch(アトリエ キッチ)
〒567-0825
大阪府茨木市園田町8-19 冨坂ビル1F
TEL:FAX 072-637-8003
MAIL:info@at-kitch.com
大阪府茨木市園田町8-19 冨坂ビル1F
TEL:FAX 072-637-8003
MAIL:info@at-kitch.com
http://www.at-kitch.com/index.html
OPEN 12:00~CLOSE 19:00
匿名
2011年3月25日 15:24
キッチさんいいねえ。コーヒーはどういうふうにたのんだらいいんやろ? 喫茶店みたいな感じで頼めばいいのかな。
yamyam
2011年3月26日 23:30
コメント、ありがとうございます。コーヒーの頼み方、ちょっとお待ちください。明日聞いてきます!
yamyam
2011年3月28日 22:48
コーヒーの頼み方ですが、申し訳ございません。まだ準備段階だそうです。将来的に展開していきたいとのことです。せっかく興味を持っていただいたのにすみません。今後動きが出次第、随時ご報告させていただきます。
匿名
2011年6月8日 16:53
わざわざありがとうございます。りょうかいです。