カンボジア料理店 すろまい @高槻 カンボジアと"共に"新たな発展をする日本。
2:01 // 0 コメント // MEKKEkun // Category: 飲食 , 人 , 注目記事 //今回は大阪府の高槻にあるカンボジア料理店「すろまい」というお店を取材してきました。
なぜなら私がそのお店が大好きだからです。
そこにいる人たち、そこに集まる人たちがとても素敵なのです。
どうしてそんな風に素敵なのか?
店長の中村健司さんにお話を聞いてきました。
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今年1月初めのこと
お腹がすいて、駅前を歩いていてふらっと見つけた看板
日本人好みのヘルシーエスニック...?
気になったので、看板の奥の階段を降りて、地下1階へ。
ますます気になる...入っちゃえ!
さてさて、こんな感じで私とカンボジア料理店「すろまい」の出会いは始まりました。
このあと、私はこのお店「すろまい」に通うことになり、
なんと実際に、一緒にカンボジアにまで行っちゃうことになるのです。
すろまいの魅力的なところ
・常連さんが多い
↓
・それだけでなく初めて行った人でも、お客さん同士がすぐに仲良くなる
↓
・いつの間にか自分も常連になっている(笑)
そんな、人と人がつながるお店 だということです。
いつも、その笑顔の中心にいる店長、中村健司さんとは、一体どんな人なんでしょうか?
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それではそんな店長、健司さんへのインタビュー
はじまりはじまり〜
〜おみせのはなし
★お店の名前「すろまい」の由来はなんですか?
むこう(カンボジア)の言葉で「夢」って意味があって、夢をもっと生きる大人が増えたらいいなぁ。自由に夢描ける人が増えたらいいなぁ、と思ってつけました。思い込み、観念、常識、いろんなものが邪魔して夢をもてなくなっているとか、あると思うんですけど、そこにチャレンジする過程で人も成長できると思うし、周りの人を勇気づけることもできると思うんです。
最初はカンボジアの人らが夢を生きれるようにと思ったけど、いやそれだけじゃなくて、ここに集まる人がそういう風になれば。そのためにはまず自分が生ききらないといけないなぁ。
それをカタカナにするんじゃなくてひらがなにしたのも、日本が誇るものだと思うのでひらがなは。知恵の結晶だと思うので。あえてひらがなで書くことで、架け橋っていう思いを実は込めて、つけました。
★うちの店のここがすごいよ!ってあります?
すごいというか、こだわっているところは、コンセプト。なぜこのお店をやるのかっていうところかな。あと、強みはスタッフ。
その中身はこのあとじっくり聞かせてもらうので、みなさんもう少々お待ちを〜。
〜カンボジアとの出会い
★カンボジア料理ってめずらしいですよね。なんでカンボジアなんですか?
うんうん。その尺は長めでいいのかな。(笑)
一言で言うと縁でしかなくて。で、なんでカンボジアに、そんなご縁を感じるようになったかというと、もともと学生時代にNGOの活動とかをしてました。日本でいろんな活動をするけども、自分がいいと思ってする活動が現地にとってほんまにええかどうかなんてわからへん。ちょっと大学休学していろんな国を歩いてまわって、腹壊すんやったら壊したらいいし、それでわかることもあるし、とか、若いときやからできんねんけども。そういうことをやっていったんです。
それでその中で、当時、今よりももっと情報がなくて、もしくはもっと偏っていたカンボジアに行った。そこで怖いイメージばっかり。ポルポト、内戦、地雷。しかも国境あいたばっかり。観光客ほとんどいない。アンコールワットでさえほとんど観光客おらんかったから。で、そこに入ってみて、もう怖かったから坊主頭にしていったぐらい、仏教徒の国で坊主やったら殺されへんやろみたいな安直な発想で。(笑)
そんな時、旅仲間(ベトナム・中国を一緒に旅した)とホーチミン(ベトナム最大の都市)の郵便局で、たまたま会った。
「あれ、けんじさん」
「おお、会うたなぁ。一緒にカンボジア行こか。みんなも怖いやろ、俺もこわいしー。」 言うて。(笑)
カンボジアに陸路で入って、まあまだこわいこわいばっかり。プノンペン(カンボジアの首都)も今ほどのエネルギーはなくて、もともとゴーストタウンやったからポルポト時代、その雰囲気がまだ残ってる感じがあって。先入観だいぶあると思うけど。
でも、そこで出会う人たちがすごい優しくてあれ?って思い出してて、でシェムリアップ行ってアンコールワット観光したときに。一番ぐっときて、あ、ここで僕は落ちたなあと思ったのは、、、
〜落ちた瞬間♥
プノンペン大学の当時の大学生がアルバイトでシェムリアップに戻ってて、一日観光ガイドするよ。1日5ドルでいいよ。バイクも全部のせるしガソリンも込み。あ、じゃあお願い言うて。すごいいいガイドをしてくれるし、気のいいやつらやって。 「いける、楽しい、でもぼられるんちゃうかなー」って不安やって。ベトナムとかすごいぼったくり激しいから。
でもその日終わって、5ドル渡したら、すごい手を合わせて、ありがとーーって、お金にも僕にもありがとーーっていう感じで受け取ってくれた瞬間、完全に落ちてしまった。
チャラッチャラの異性が、なんやこいつちゃらいなー思ってて、でも話してみると実はすっごい人生のこと考えてたり愛があったりしたら落ちるでしょ?(笑)そんな感じでネガティブなイメージがあったところで、そういう人々の優しさとかに触れてまず、落ちた。
〜カンボジアの魅力
考えてみたら、カンボジアって、ある意味すごく人間くさいところだなぁと思って。どこが人間くさかったのかっていうと、例えばプノンペンの博物館に行くと、内戦とかポルポト派の地雷の虐殺がすごく色濃く残ってて、人間ってこんだけ残虐になれんねんなぁ、って思ったと同時に、同じ国でアンコールワットのような素晴らしい遺産があって、かつそこに住んでる人々はそういう歴史があったにも関わらず、すごく穏やかで平和的で豊かな文化があって、そこのギャップ。
人間っていい面も悪い面もあると思っていて、それがまんまでせまってきた感じがあって。(僕の)性格的に人間臭く、そのまんまでいこうよっていう、変にかっこつけたくもないし、かっこつけてる人も好きじゃない。そんな中でカンボジアっていうところはなんか惹かれたのかなぁと。
〜現地での支援活動〜研究〜ビジネス〜カンボジア料理店(今ココ)
そこでの出会いを経て、じゃあ現地で支援活動に携わろうとか、もっと研究をしないと、勉強しないとあかんと、いろんなことをやっていく中で、まず現地での支援活動に自分は向いてないと思って。自分のような関西人でチャキチャキで、ばーっと回転させていろいろやってってしまう人は、現地の人が考えるのを邪魔すると思って。
で、僕じゃないと思って。研究も同じように僕じゃないと思って。もっと自分は動く方が、研究できる人間もっとくさるほどいるし。でもそのどっちも経たからできることってあるんじゃないかなっていう時に、ビジネスに興味を持ち始めて。ビジネス=金儲けって日本では定義づけられるけど。
そうじゃなくて、今思うのは、ビジネスって愛そのものやな。っていうこと。困ってる人がいる、自分が笑かしたい人がいる、そこに対して提供できるものがある、それを提供して対価としてお金を頂戴して、そのお金でまた自分の目指す方向にすすんでいく。全然愛やんって思って。これでできることってめっちゃあるんじゃないか。
プラス、そこの部分がもっと大きくならないと、援助だけでどうなるものでもないんじゃないんか。しかも援助って言ったら、いいけども、なんのための援助なのかとか、援助に関わってる人たちがどこまで現地のこと考えているのかとか。いろんな疑問を自分の活動の履歴の中で感じてたので、それで、そこに関わっていこうと。
僕はいろんな経緯があって、貯金もゼロ円だったし、人脈もそんなにない。じゃあどっからできるってなったときに、まずはカンボジア料理。
小さいけれどお店から始めていけば、そこに集まる人もでてくるし、カンボジア行って帰ってきたけど、カンボジアに関われる場所がないって言う人にまずもってそういう場を提供できる、そこから起点にいろんなことが可能になるんじゃないかと思って、始めたというところですね。
★カンボジア人と日本人と似てるところってありますか?
今でも日本人根っこにもってて表面的に出づらいだけと思うんですけど、目上の人を敬うとか。仏教の影響が日本はあるじゃないですか。そこはすごい似てるなあと思いますねぇ。
行って何かほっとするっていうことはそこに分かち合ってるものがあるから、人はほっとすると思うので。他は、なんでしょうねぇ。
★カンボジアで忘れられなかったことってありますか?
やっぱり出会いが多い。マイナスなことも多い。
マシンガン持った兵隊に連れて行かれたとか。でもあれを経験してたから、もう、ちょっとやそっとのことで怖いとは思わないし。
あとは、とあるスポーツ大会をしようって時にカンボジア政府と交渉役してたんやけど、現地の人の不満が一気に僕の方に来たりとか、「交渉役なだけやのに…」とか。でもあとで、そのカンボジア人がわかってて「わかってる。ほんとはおまえが悪いわけじゃないよね、ごめんね。」とか、雨降って地固まる的な事がすごく多いかな。
カンボジア人に限らず、日本人も、出来ごとも含めての出会いが忘れられない。
〜すろまい(=夢)のはなし
★けんじさんの「すろまい(=夢)」は?
僕の夢はー、素敵なお嫁さんをみつけることですかね。(ニヤリ)
ここで、スタッフのみなこさんから「言うてる言うてる(笑)」というつっこみが(笑)
えー、で、子供は二人。家族で世界一周。そして子供から僕が学ぶ。何を感じたかを学びたい。
今日一番の勢いでとても流暢にしゃべる健司さん(笑)
★じゃあ、好きなタイプの女性は?
好きなタイプは鼻声の女性ですね。ここは譲れないところです。(笑)
★改めて(笑)、けんじさんの「すろまい(=夢)」は?
最近、自分の中で明確になってきてるのが、カンボジアとか、途上国とよばれる国のその国らしい発展を、日本が支えて行く。それによって日本も一緒に、新たな発展をしていけると思います。
僕は日本人はそれができると思っていて、多様性を認めたりする発想っていうのが根っからあると思うので。それによって、日本人はものづくりとかもちろん強みはいっぱいあるけども、もっとすごいのは根っこのソフトのところやと思ってて、まずは自分が、カンボジアの人らががんばって、自分らのもってる強みを生かして発展しようとしてるのを、支える。ビジネスはそれを実現させることができると思うから。それをやっていけたらなぁと。
そのやり方とか仕組みを自分がつくって、あとに続く人らや、他にやりたいって人にどんどん伝えていくことで、広げていくことができるし。まあその過程でいっぱい頭うたれると思うけど、それも楽しみですね。
ビジネス選んだのも、NGOとかやってたけども、自分にとってはビジネスが向いてると思ったし、自分にそこが圧倒的に欠けているとも思ったし。ビジネスもNGOもどんな仕事も多分、本質は同じだと思うので。
★その本質っていうのは...?
愛ですよー愛。
何か自分が提供できる価値があったり、提供したいと思う価値があって、助けたいであったり、笑顔にしたいという人たちがその先にいて、っていうところでは同じだと思っています。
★近い将来やりたいこと、教えてください
結婚ですかねぇ。
★もう一度(笑)、近い将来やりたいこと、教えてください。
まずはすろまいツアーを継続させたい、そしてカンボジア人の料理人が来て、飲食店が大好きっていう人にできれば店長をやってもらって、現地に行きたいです、現地でもやりたいビジネスがいっぱいあるので。
すろまいツアーとは、今までに4回行われている「すろまい」主催のカンボジアツアーです。
他のツアーでは絶対味わえない現地に触れる濃い〜い体験が見所、感じどころ。
第5回の次回は2012年2月に行われるようなので、くわしいことはすろまいHPへ
他のツアーでは絶対味わえない現地に触れる濃い〜い体験が見所、感じどころ。
第5回の次回は2012年2月に行われるようなので、くわしいことはすろまいHPへ
スタッフの方たち手書きで発行しているニュースレター「すろまいまおん」料理のレシピから、ツアーの情報、4コマ漫画と中身は満載。
メンバーズクラブに入ると送られてきます。
〜すろまい新店舗拡大について
★大きいお店になると、このお店のいいところである、お客さん同士の距離が近いという良さが減ってしまうんじゃないかっていう心配があると思うんですけど、(現在のお店は15席)どんなお店にしたいですか?
その心配は僕もある。だけど、できることはあると思ってるので。まずは限界の規模は決めています。その中でつながりたいなーと思ってるお客さん同士をつなげることは、スタッフや僕がどう動くかで可能なので。そのかわり、そこをきちんと好きで出来る、得意っていう人が店長やスタッフとして育ってくれたら、その機能はあながち失われはしないかなぁと。
★スタッフ次第?
うん、だけど、行き着くところは自分次第。そういうスタッフが来てくれるかどうかも自分次第なので。
★では最後に、今これを読んでいるお客さんに一言ください
まぁ、ほんまに、気軽に、寄ってもらえたら、落ち着けるというか、裏コンセプトは「もう一つの家」なんで、おかえりなさい的な店でずっといたいので、多分みんな日々疲れてるーとは思うので、来てもらって、のんびりしてもらえたらなーと。
暑苦しい店長ではありますが(笑)、よろしくお願いします。
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いかがでしたでしょうか?これが私のおすすめのお店です。
お店に行ってみると、他にも素敵なスタッフの方がたくさんいて、いろんなおもしろい話も聞けます。
この記事が何かまた、広がり、つながりをもたらしてくれたら、すごく嬉しいし、すごく素敵なことだなぁとドキドキしています。
文・取材・写真/斉藤夏実 撮影/今西一寿
カンボジア料理店 すろまい
〒569-0804 大阪府高槻市紺屋町3-1 グリーンプラザ3号館 地下1階
TEL 072-683-2444
ランチ 11:30~14:00
ディナー 17:30~22:30
(L.O 30分前)
定休日/第2火曜日・毎週水曜日
パオパオを洗うクメールくん(イメージキャラクター)
画/酒井遥
記事に関するご意見・ご要望は
斉藤夏実 72vaniglia@gmail.com までどうぞ。
斉藤夏実 72vaniglia@gmail.com までどうぞ。