小澤健さん(マンボラマ)にバッグ作りの話を伺ってきた。
5:04 // 4 コメント // soap // Category: ファッション //今、じわりと人気が高まってきている大阪発のバッグブランドがある。その名は BAG'n'NOUN (バッグンナウン)。
ファッションのアンテナを張っている人たちなら知ってるけれど、普通の人はまだ知らないといった存在だ。いや、ファッションに疎い筆者が知るようになったぐらいだ、人気を低く見積もりすぎかもしれない。素材はすべて日本製で、大阪で縫製されているというから、まさに大阪めっけの記事第1号にふさわしい。
最初に目に飛び込んでくるのは奔放な色づかい。目の覚めるような原色が溢れているかと思えば、落ち着いたアースカラーも揃っている。そして独自の美意識に基づいた個性的なデザイン。他ではお目にかかれない形態のバッグもあるが奇を衒った印象はない。斬新なのにすんなりとなじめる。個性的なのにとんがった感じはない。それはいったいどういうわけだろう。「BAG'n'NOUN」の生みの親、小澤健(おざわたけし)さんにお話を伺ってきた。
1.「BAG'n'NOUN」最初のヒット、帆布製トートバッグのお話。[映像1分44秒]
小澤 鞄は僕らにしたら難しいねん(小澤さん元々は洋服のデザイナー)。 何が難しいって言うと、服は人が着るから着てサイズを出していけばいいわけですわ。間違いなく人間が着よるから。それでキレイとかそうじゃないとか決めるわけやけど、鞄は中に何を入れるか決まってないから、何を基準に最初の寸法を決めるかが問題やねん。
話の初っ端からとても面白い。服はヒトの入れ物、カバンはモノの入れ物。 服とカバンをこんな風に並列に捉えることはそうできない。
小澤 あとはこの肩紐が短いとか、細いとか、これ(持ち手)も短いとか、そういう鞄のセオリーをけっこう無視したことが功を奏した。
服飾雑貨は身体に近い方がよく見える。こんなんほら、すーごい長かったりしたらこの辺(身体から離れた下の方)でぶらぶらしよるやろ、ほなあんまりかっこよくないねん。
なるほど!と膝を打ちながら聞いた。「短く。高く。」これが小澤さんのカバン作りのキモではないかと思う。
2.「BAG'n'NOUN」第1号。[映像2分5秒]
小澤 ほんとに最初に作ったんはこれかな。これが第一号。結局、こんなもんはほんとの裏話で、していい話かわからへんけど、イメージしたモノがあまりにも超ぼんやりしたもので、ただ、原色の、これぐらいの大きさのモノが、上め(高い位置に)にこうあるっていう印象だったんですよね。
(底を見せながら)これ見ての通り正方形やねん。底が正方形の鞄なんてそんな持ちにくいもんはないわけで。正直、がんばって考えてこれやってん。小澤さんは話の中で何度も、「素人やから、」とか「がんばってこれやねん。」と冗談めかして謙遜されるが、無闇に自分を卑下しているのではないとすぐに分かる。未経験の分野に挑み、失敗と成功を積み上げてきたことに対する自負があればこそだ。
さかんに持ちにくいとおっしゃる第1号バッグはもちろん今も売れ続けている。
3. ナップザックとこだわりの金具 [映像1分2秒]
小澤 で、3はこれ。あ、これのあいだにちょっとスカタンな奴があったけど、まあ、大方3個目かな。
だって、裏なんかもう、こんなん、トタンともいわへんし、ティントイのあの、素材ですよね。ブリキ言うねんね。もうこれですよ。これが決定打ですわ。このナップサックも「BAG'n'NOUN」の一つの顔だ。ヒトが背負うバッグの原型とでも言うべきカタチ。懐かしいおもちゃのような金具。一見無造作にも見えるシンプルさ。眺めているとナップサックというのは布袋に背負いひもを縫い付けたものなんだと,当たり前のことにあらためて気づかせてくれる。
4. 特注の帆布で作った新作バッグ [映像3分49秒]
小澤 帆布の産地が滋賀県の湖西なんですけどね。生地織ってるところに連れて行ってもろて、僕の支持で目の前で織ってもらった生地やねんこれ。
そういうはじめてみた現場でどうやって生地が織られるのかを伺って、生地を硬くするにはどうしたらいいんでしょうかとか、厚みを増すにはどうしたらいいんでしょうかていうことを、話ながら、目盛りを動かしながら、一度やらしてほしいと、いうことで作ってきたんがこれなんです。この素材はとても面白い。帆布のアレンジではあるがここまでくればもう帆布ではない。布と呼ぶことさえ躊躇するような硬質さが魅力だ。遠目には石膏の肌理を見ているようでもある。美しい素材だと思った。言ってみれば世界で「BAG'n'NOUN」にしかない素材でもある。写真ではそのおもしろさが伝わらないのが残念だ。
小澤さんは大した語り手だ。
素人が集まっておそるおそる始めた取材だが、小澤さんの人柄に助けられとても楽しい時間を過ごさせていただいた。熱く理念を語り、笑い、目を見開いて感心し、また笑う。関心の対象はファッションに留まらず、音楽からインテリア、旨いものと幅広く話は尽きない。借り物の言葉はない。「いいかっこ」も言わない。どの話も自分自身がとり組み体験してきた実感から語られる。先入観に囚われず、約束事に縛られず、それでいていつも大事にする「芯」のようなものも垣間見える。何を見るにも大きな目をクリクリと見開いて真っさらに見ることが出来るからこそ、新しいカタチのバッグ(!)や、新素材を生み出すことができるんだろう。そんな小澤さんの魅力が「BAG'n'NOUN」にはっきり表れているように思った。
※追記
小澤さんのブログによると、雑誌 MONOCLE(イギリス)に BAG'n'NOUN の NAPSAC が紹介されているようだ。
http://mamborama.seesaa.net/article/147682918.html
MONOCLEはデザインを中心に音楽やアートビジネスまで幅広く扱う話題の雑誌。知的で洗練された高級紙だ。青山ブックセンターでも力を入れて扱っている。
文 斉藤五十八
撮影 今西
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小澤健(おざわたけし)
1962年生まれ。アパレルブランド「necessary or unnecessary」デザイナーであり、衣料販売会社「マンボラマ」の代表。
マンボラマ
〒542-0083
大阪府大阪市中央区東心斎橋1丁目11−15
06-6241-1424
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Unknown
2010年5月16日 0:36
パチパチパチ~♪
オメデトウございます。
新しい情報サイトのOPENを心から
祝福いたします。
アンテナ・オオサカも、
間もなく温めていた(温め過ぎやし)
大阪発の情報ポータル
Antenna Media Stationと、
Suite Osakaを立ち上げます。
お互い、切磋琢磨して
大阪Powerを発信しましょうぜ!!
soap
2010年5月16日 4:42
久保さん、早速のコメント深謝。
まだまだおっかなびっくりやってる感じですが、我々も楽しみながらみんなの役に立つ情報サイトを目指します。
よろしくー。
soap
2010年5月17日 9:46
コメントできないとの連絡あり。調べてます。
匿名
2013年12月3日 21:34
バック持ってます。
ポケも沢山付いて使いやすい。
他の鞄持てなくなりました。
オーナーの洋服もハマっています。